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相続税が高くなりやすい二次相続に有効な対策とは?

相続税が高くなりやすい二次相続に有効な対策とは?

二次相続対策として何を行えばよいのか分からない?という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、二次相続対策として有効な節税につながる対策を6つご紹介します。

1. 生前贈与

二次相続の負担を抑えるために、生前贈与を活用する方法があります。

生前贈与は、相続が発生する前に財産を先に渡しておくことで、相続税の負担を軽減する手法です。

具体的には、贈与税の基礎控除枠を利用します。

年間110万円までの贈与は非課税となるため、この枠を毎年活用して少しずつ財産を贈与することで、段階的に相続を進めることができます。

ただし、注意すべき点として、生前贈与として認められるのは亡くなる7年以上前の財産です。

亡くなる前の7年間に行われた贈与は、相続税の対象として課税されるため、この期間に贈与を行う際には注意が必要です。

2022年12月に発表された「令和5年度 税制改正大綱」(財務省)により、相続税の課税対象となる生前贈与の加算期間が「死亡前3年」から「死亡前7年」に延長されることが決定しました。

適用対象は【令和6年(2024年)1月1日以降の贈与】です。

したがって、生前贈与のポイントはできるだけ早めに贈与を始めることです。

生前贈与のメリット

相続が希望通りに進められる

生前に財産を一部贈与することで、希望通りの相続が可能になり、相続争いを未然に防ぐことができます。

認知症リスクの回避

遺言を作成する前に認知症になってしまうと、本人の意思確認ができなくなり、相続が難しくなります。

生前贈与を行うことで、このリスクを回避できます。

早期の財産割り振り

子育て世帯など現時点で資金が必要な家族に早期に財産を分けることで、より有効に活用することができます。

生前贈与を検討する際は、専門の税理士に相談し、最適な方法で進めることが重要です。

専門家の助けを借りて、上手に相続対策を行いましょう。

2. 配偶者の資産を増やさない

二次相続の税負担を考慮すると、配偶者の資産を増やさないようにすることが重要です。

二次相続の際には、一次相続で配偶者が得た財産と配偶者自身の資産に対して相続税が課税されます。

そのため、一次相続の時点で配偶者への相続を最小限に抑えることが効果的です。

まず、一次相続で配偶者に相続させる財産は、二次相続時の基礎控除内に収まる評価額にするのが理想です。

さらに、価値が上がる可能性のある不動産や株式などは、一次相続の際に子どもに相続させることで、評価額が低いうちに相続を完了させることができます。

このように、一次相続の段階から二次相続を見据えて計画を立てることで、相続税の負担を減らすことが可能です。

ただし、配偶者の資産を減らしすぎると、生活に支障が出る可能性があります。

残された配偶者の生活を安定させることが最優先です。

したがって、配偶者が安心して生活できるように必要な資産を確保しつつ、バランスを取った相続計画を立てることが重要です。

このように、二次相続を見越した適切な配分を行うことで、相続税を抑えつつ家族全体の利益を考えた相続が可能になります。

3. 生命保険の活用

生命保険の活用は、簡単に実行できる二次相続対策の一つです。

生命保険の受取金は相続税の対象ですが、法定相続人1人あたり500万円の非課税枠が設けられています。

※法定相続人の人数は、相続放棄した人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の人数

この非課税枠を利用することで、相続税の負担を軽減することができます。

また、預貯金とは異なり、生命保険の受取金は凍結されずに現金として受け取ることができるため、相続時の納税資金としても利用可能です。

相続対策としては、終身保険が特に有効です。

終身保険であれば、高齢や持病があっても比較的加入しやすく、長期間にわたって保障が続くため、安心して利用できます。

注意点として、一次相続の際には生命保険金の受取人を子供にしておくことが重要です。

受取人を配偶者にすると、保険金が配偶者から子供に相続される際に二次相続の対象となり、相続税が発生してしまいます。

したがって、受取人の設定には慎重な配慮が必要です。

生命保険を活用することで、相続税の負担を軽減しつつ、スムーズに現金を手に入れることができるため、二次相続対策として非常に有効です。

生命保険の活用についてはこちら>>

4. 子どもに実家を相続させる

一次相続の際に実家を子どもに相続させることは、二次相続の税負担を軽減する有効な方法です。

一次相続で実家を子どもに相続させると、小規模宅地の特例を適用できるため、相続税を大幅に減らすことができます。

この特例により、330㎡までの宅地に対して評価額を80%減額することが可能です。

一方、一次相続では配偶者控除が適用されるため、実家以外の財産にこの控除を利用し、実家については小規模宅地の特例を活用するのが効果的です。

これにより、各種特例を最大限に活用し、相続税負担を抑えることができます。

さらに、一次相続で配偶者が実家を相続すると、二次相続時に実家が再び相続税の対象となります。

二次相続で小規模宅地の特例を利用するには、子どもが実家に同居していることなどの条件があります。

これを満たすために、同居や二世帯住宅の検討が重要です。

二世帯住宅は、完全分離型のものもあり、同居に抵抗がある場合でも選択肢として検討できます。

また、2020年4月から導入された「配偶者居住権」を利用することで、一次相続時に配偶者が居住権を持ち、実家の所有権を子どもに相続させることができます。これにより、二次相続の税負担を軽減することが可能です。

このように、一次相続で実家を子どもに相続させ、将来価値が上がると予想される土地や株式なども子どもに相続させることで、評価額が低いうちに相続を完了し、相続税を抑えることができます。

一次相続の段階で二次相続を見据えた計画を立てることが重要です。

5. 相続をする場合の財産の種類を変更

一次相続の際に配偶者に資産性の高い財産を相続させないことが、二次相続での相続税を抑える鍵となります。

例えば、賃貸住宅など家賃収入が得られる財産を配偶者に相続させると、その家賃収入が積み重なり、二次相続の時点では大きな資産になっている可能性があります。

二次相続で配偶者の資産が増えていると、課税額も大きくなり、結果として相続税が増加します。節税の観点から言えば、家賃収入や配当収入を生むような財産は、一次相続時に子どもに相続させる方が有利です。

これにより、配偶者の資産が増えすぎることを避け、相続税の負担を軽減できます。

相続計画を立てる際は、財産の種類とその将来の価値を考慮し、適切な相続の方法を選ぶことが重要です。

6. 相次相続控除による優待規定を利用

10年以内に一次相続と二次相続が発生する場合、相次相続控除の優遇規定を利用できる可能性があります。

この控除を利用すると、一次相続で配偶者が支払った相続税の一部が、二次相続時の相続税から控除されます。

二次相続が発生した場合には、相次相続控除の申告を忘れずに行うことが重要です。

二次相続では配偶者控除が使えないため、相続税が高額になる可能性があります。

そのため、相次相続控除を含む様々な対策を早期に知り、計画的に進めることが節税につながります。

どの対策が自分にとって最適かを理解し、早めに実行することが大切です。

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この記事を担当した執筆者
司法書士法人・行政書士やまぐち中央事務所 司法書士 福田修平
保有資格司法書士 専門分野相続・生前対策
出身地 山口市
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