子どもがいないため複雑になった相続手続きを当事務所が円滑に進めた事例
状況
相談者Aさん(70代)は、高齢で体調が優れず、妻Bさんが亡くなられた後の相続手続きに関して当事務所に相談に訪れました。AさんとBさんは長年二人三脚で暮らしてきましたが、お子さんはおらず、Bさんが遺言を残していなかったため、相続に関する手続きがどのように進むのか全くわからず、不安を抱えていらっしゃいました。
法定相続人は、Aさん(配偶者)とBさんの兄弟4人でした。Bさんの資産には、預金5000万円、上場株、自宅の共有持ち分が含まれており、その総額はかなりの金額に上るものでした。しかし、Aさんは金融機関や役所での手続きに必要な知識や経験がなく、特に複数の相続人が絡むことで手続きが煩雑になる点を心配されていました。
Bさんの兄弟4人とは表立ったトラブルや確執はないものの、普段から交流はほとんどなく、兄弟それぞれが高齢で遠方に住んでいることもあり、意思疎通や書類のやり取りがスムーズに進むかどうかに不安を感じていました。さらに、Aさん自身も高齢で、身体が不自由なため外出が困難であり、相続手続きを自分一人で進めるのは現実的ではない状況でした。
加えて、Bさんの遺産は金融資産だけでなく、不動産(自宅の共有持分)や上場株など複数の種類が含まれており、それぞれに異なる手続きが必要でした。このように手続きの複雑さと負担の大きさがAさんにとって最大の課題となっていました。
司法書士の提案&お手伝い
当事務所では、Aさんの不安を解消し、相続手続きをスムーズに進めるため、遺産整理業務を提案しました。この業務を利用することで、司法書士が相続手続きを全面的に代行し、Aさんや相続人の負担を大幅に軽減することが可能になります。
具体的には、次のような内容を提案し、Aさんに詳細を説明しました。
- 相続人全員からの委任状取得: 相続人全員に対して遺産整理業務の趣旨を丁寧に説明し、手続きに必要な委任状を取得します。これにより、相続人間の直接的なやり取りを最小限に抑え、調整役として司法書士が中立的な立場で手続きを進めます。
- 書類の収集代行: 相続手続きに必要な戸籍謄本や住民票、金融機関が求める書類など、個人では収集が難しい書類を司法書士が代行して取得します。
- 金融資産の名義変更手続き: 預金や株式などの名義変更を効率的に行います。金融機関ごとに異なるルールに基づき、必要書類を揃え、Aさんが直接手続きに関与する負担を軽減しました。
- 不動産の相続登記: Bさんが所有していた自宅の共有持分に関して、相続登記手続きを行います。不動産登記法に基づき適切に進めることで、後々のトラブルを防ぎます。
また、Aさんが身体的に外出が難しい状況を考慮し、可能な限り訪問や郵送での対応を行い、金融機関や役所への出向が不要になるよう工夫しました。司法書士が窓口となることで、Aさんの負担は大幅に軽減されました。
結果
遺産整理業務を通じて、すべての相続手続きがスムーズに進みました。Aさんが希望された内容に基づき、以下の成果を達成しました。
- 預金5000万円の名義変更が完了し、Aさんの管理口座に資金を移動
- 上場株の名義変更を行い、証券会社の専用口座に移管
- 自宅の共有持分について、Aさんの名義への相続登記を完了
これらの手続きを迅速かつ効率的に進めたことで、相続人間でのトラブルも一切なく、AさんとBさんの兄弟4人が全員納得する形で相続手続きを終えることができました。
Aさんからは「相続手続きが非常に煩雑で、自分一人では絶対に対応できなかったと思います。司法書士さんにお任せしたおかげで、思っていたよりも早く手続きが完了し、本当に助かりました」との感謝の言葉をいただきました。また、Bさんの兄弟からも「各種説明がわかりやすく、負担が少なかった」と高く評価されました。
このように、専門家のサポートによって相続手続きを円滑に進めることができ、Aさんの生活の安心が確保されました。
司法書士のポイント
本事例では、以下のようなポイントが解決の鍵となりました。
第一に、中立的な立場で調整を行う司法書士の役割です。相続人が複数いる場合、特に法定相続人に兄弟姉妹が含まれるケースでは、全員が納得する形で手続きを進めることが非常に重要です。司法書士が間に入ることで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな意思疎通を実現しました。
第二に、複雑な手続きを一括して代行する専門性です。遺産に含まれる金融資産、不動産、株式など、それぞれの手続きには異なるルールが存在します。司法書士がこれらを適切に処理することで、相談者自身が手続きに追われることなく安心して生活を送れる環境を整えました。
第三に、高齢の相談者に配慮した対応です。身体が不自由なAさんの状況を考慮し、訪問や郵送対応を積極的に活用しました。このように、柔軟な対応によって負担を最小限に抑えることができました。
本事例は、子どもがいない夫婦の相続手続きがいかに複雑であるかを示しています。司法書士に依頼することで、法的に適正な形で手続きを進めるだけでなく、相続人全員の心理的な負担を軽減し、円満な解決を実現することができます。
相続手続きでお悩みの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
この記事を担当した執筆者
- 司法書士法人・行政書士やまぐち中央事務所 司法書士 福田修平
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保有資格司法書士 専門分野相続・生前対策
出身地 山口市 メッセージ 弊所が大事にしている「あなたの安心をカタチにします」というフレーズは、どんなに親が家族を想っても、遺言や家族信託などの具体的な対策を実行しなかったために、想いが叶わず、家族が苦しんだり、悔しい想いをする現実をみてきたからこそできたものです。 ご依頼いただいた際には一切の先入観を排除し、皆様の想いの奥にある背景までに想いを馳せ、ベストの形を提案します。
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