【解決事例】「子どももきょうだいもいない」おひとりさまが老後と死後に備えた包括支援
ご相談者の背景
今回ご相談に来られたのは、Aさん(57歳・女性)です。独身でお子様もおらず、ごきょうだいもいない「ひとりっ子」。現在は85歳のお母様(Bさん)とお二人で同居されており、ご本人いわく「家族といえば母だけ」という状況です。
お母様は高齢で体調も思わしくなく、介護が必要になる可能性も感じ始めておられるとのこと。Aさんはご自身の将来に対し、漠然とした不安を抱いておられました。特に強調されていたのは、「入院や施設に入ることになった時、誰に頼ればいいのか分からない」「死んだ後の手続きをしてくれる人がいない」「認知症などになったとき、自分のお金を誰が管理するのか不安」といった、具体的な将来不安でした。
財産状況と法的な課題
Aさんの財産は、大きく分けて「預金(相応の額)」と「自宅不動産」です。お母様と暮らす家を所有されており、今後の生活も含めてこの家を大切に守っていきたいというお気持ちが強くありました。
一方で、ご自身に法定相続人がほぼいない状態(母のみ)であることから、もしもの時の遺産の行方や手続きについて、どこから準備して良いのかも分からない状態とのことでした。特に死後事務(葬儀、納骨、役所手続きなど)や、生前の医療契約、施設入所時の身元保証については、誰に頼れるのかという大きな課題がありました。
Aさんの不安と希望
Aさんが挙げられた主なご希望と不安は以下のようなものでした:
- 将来的に施設入所や入院が必要となった場合、保証人になってくれる人がいない
- 認知症などにより判断能力を失った際、自分の財産を安全に管理してほしい
- 死後、身の回りの手続き(役所・公共料金・家の処分など)を安心して任せたい
- 財産は母に相続させたいが、母が先に亡くなっていた場合のことはまだ決めていない
- 死後の手続きに必要な費用を、生前に預けておく方法を知りたい
こうしたご相談は、近年特に増えてきており、「おひとりさまの終活支援」は社会的にも大きなテーマとなっています。特に法的に整えておかなければ、入院時や死後の手続きに支障が出るケースも少なくありません。
当事務所がご提案した支援内容
ご相談を受けた当事務所では、Aさんの状況とご希望を総合的にふまえ、次のようなサポートをご提案しました。
- 公正証書遺言の作成:母を第一受遺者とし、将来的に友人や団体などへ変更可能な形式で作成
- 死後事務委任契約:葬儀、納骨、家財処分、各種届出を含む包括的な死後手続きの委任
- 死後事務費用の預託契約:葬送・事務処理に必要な実費を生前にお預かり
- 任意後見契約:将来、認知症などで判断能力が失われた場合に備えた財産管理体制の構築
- 身元保証支援:信頼できる団体との連携により、入院・施設入所時の保証人を確保
特に死後事務契約では、ご本人の希望を細かくヒアリングし、「お墓はどうするか」「葬儀の形式はどうするか」「自宅はどのように処分するか」など、一つひとつを丁寧に決めていきます。これにより、死後に残された人々への負担も軽減されるとともに、ご本人の意思が確実に尊重される体制が整います。
支援の進行状況と今後の予定
Aさんとはすでに「おひとりさま支援一式」の契約を締結し、遺言書作成や契約書の整備に着手しています。具体的には以下のようなステップで進めています。
- 財産目録の整理(預金口座・不動産評価・家財の一覧化)
- 公証役場と日程調整を行い、公正証書遺言・死後事務契約・任意後見契約の一括作成
- 死後事務費用の預託(信託口座等の整備と入金)
- 将来的な保証人支援体制の導入(外部団体との連携開始)
すべての準備が整った後は、定期的な見直しや、状況変化への対応(受遺者変更や契約内容の修正など)も当事務所にてフォローアップいたします。
司法書士からのコメント:おひとりさまが備えるべきこと
現代において「家族がいない」「頼れる人がいない」という悩みは決して珍しいものではありません。特に女性の単身高齢者が増加するなか、「死後の手続きが心配」「入所時に保証人がいない」という声を多く耳にします。
法律的にきちんと整えておくことで、どんな状況に置かれても安心して人生を送ることができます。遺言書や死後事務契約、任意後見契約、そして信頼できる専門家の関与があれば、ご本人の意思を尊重した穏やかな人生の終幕を迎えることができます。
当事務所では、おひとりさまの終活・財産管理・死後手続きについて包括的なサポートを提供しております。「誰に相談すればいいのか分からない」「身近に頼れる人がいない」という方こそ、お気軽にご相談ください。
この記事を担当した執筆者

- 司法書士法人・行政書士やまぐち中央事務所 司法書士 福田修平
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保有資格司法書士 専門分野相続・生前対策
出身地 山口市 メッセージ 弊所が大事にしている「あなたの安心をカタチにします」というフレーズは、どんなに親が家族を想っても、遺言や家族信託などの具体的な対策を実行しなかったために、想いが叶わず、家族が苦しんだり、悔しい想いをする現実をみてきたからこそできたものです。 ご依頼いただいた際には一切の先入観を排除し、皆様の想いの奥にある背景までに想いを馳せ、ベストの形を提案します。
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