公正証書遺言の効力が一部失われてしまった。
遺言について
公正証書遺言の効力が失われる?とは・・
遺言の性質として、遺言に記載された財産をもらう方(受遺者)が遺言者より先に亡くなった場合、先に亡くなった受遺者に関する部分において遺言は効力を生じないのです。
事案概要
①お子さんのいないAさんは、面倒をみてくれた甥のXさんとその妻Yさん二人に財産を残す公正証書遺言を作成しました。
遺言の概略
第1条 不動産はXに相続させる。
第2条 預貯金はYXに各2分の1承継させる。
第3条 遺言執行者はXとする。
②ところがAさんより15歳も年下の甥XさんがAさんより先に亡くなりました。
③その後、Aさんが亡くなり、相続が開始しました。
④問題点
上記のとおりXさんに対する遺言の効力は生じません。つまり、この部分においては、相続人全員で遺産分割協議をして相続手続きを進めなければなりません。
司法書士の提案&お手伝い
子のいないAさんの法定相続人はきょうだい甥名など合計8名でした。
Xさんの部分においては遺言が効力を失っているため相続手続きを進めるには相続人8名全員の協力が必要です。
そこでYさんとご相談のうえ、弊所の「おまかせプラン」にて手続きを受託しました。
既にある公正証書遺言の内容を生かしつつ、他の相続人の方にも合意を得やすい遺産分割の内容(預金の一部を相続人全員で分配)で他の相続人に遺産分割案を提案したところ、無事、他の相続人全員から了承との回答をもらいました。
弊所において、遺産分割協議書を作成のうえ、不動産の名義変更、預金の解約分配を行い無事手続きは完了しました。
司法書士のポイント
今回の事案では、遺言が一部効力を失ったことから、結果的に本来印鑑をもらう必要のない相続人全員から印鑑をもらう羽目になってしまいました。
今回の事案では無事相続人全員から印鑑をもらうことができ良かったのですが、仮に、次のようなことがおきていたらどうでしょうか。
●相続人の一人と仲が悪く手続きに協力しない
●相続人の一人が音信不通である。
●相続人の一人が認知症で判断能力がない。
手続きがスムーズに進まず、考えたくもない状況です・・
よって、遺言作成においては、遺言が効力を失わないよう、財産をもらう方が先に亡くなった時のことも想定して遺言を作成しておかなければなりません(予備的遺言といいます)。
将来の安心のために、遺言を作成する際には必ず司法書士等の専門家にご相談されることをお勧めします。
この記事を担当した執筆者
- 司法書士法人・行政書士やまぐち中央事務所 司法書士 福田修平
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保有資格司法書士 専門分野相続・生前対策
出身地 山口市 メッセージ 弊所が大事にしている「あなたの安心をカタチにします」というフレーズは、どんなに親が家族を想っても、遺言や家族信託などの具体的な対策を実行しなかったために、想いが叶わず、家族が苦しんだり、悔しい想いをする現実をみてきたからこそできたものです。 ご依頼いただいた際には一切の先入観を排除し、皆様の想いの奥にある背景までに想いを馳せ、ベストの形を提案します。
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