負動産が原因で揉めないための相続プランニングと遺言を活用した事例
負動産が原因で揉めないための相続プランニングと遺言を活用した事例
相続財産に、活用が難しく、固定資産税などの負担ばかりがかかる「負動産」が含まれている場合、相続人間で押し付け合いになるなど、深刻なトラブルに発展するケースが少なくありません。
特に、遠方に住んでいたり、すでに持ち家があったりする相続人にとっては、管理の負担や金銭的な負担から、相続をためらうことも多いでしょう。
このような「負動産」が原因で家族が揉めないためには、生前のうちから専門家と相談し、適切な相続プランを立てておくことが非常に重要です。
本記事では、実際に当事務所にご相談いただいた事例をもとに、負動産が原因で起こりうる問題と、遺言を活用した具体的な解決策について詳しく解説します。
ご相談者様の状況
甲様(76歳)は、妻、長男、長女との4人家族で、これまで大きな問題もなく円満に暮らしてこられました。
甲様の資産は、約1,000万円の預貯金と現在お住まいの自宅に加え、地方に相続したご実家、田畑、山林といった複数の不動産がありました。
今回、甲様がご相談に来られたのは、この地方にある不動産の相続についてです。これらの不動産は、立地や状態から売却や賃貸が難しく、いわゆる「負動産」となっていました。
固定資産税や管理費の負担が毎年発生する一方で、空き家となったご実家は老朽化が進み、近隣への影響も心配される状況でした。このまま相続が発生すれば、ご家族に大きな負担をかけてしまうのではないかと、甲様は深く悩んでおられました。
司法書士からのご提案
当事務所では、まず甲様の所有する不動産の状況を詳しく調査し、考えられるすべての選択肢を検討しました。一般的に、負動産の処分方法としては、以下のようなものが挙げられます。
しかし、甲様のケースでは、売却や賃貸は現実的ではなく、民間業者による引き取りも高額な費用がかかるため、得策ではありませんでした。そこで、私たちは「相続」という視点から、ご家族への負担を最小限に抑えるためのプランをご提案しました。
具体的には、以下の2つの制度の活用を検討しました。
1. 相続土地国庫帰属制度
相続した不要な土地を国に引き取ってもらう制度です。農地や山林など、一定の要件を満たす土地であれば、この制度を利用できる可能性があります。ただし、申請には手続きや費用が必要となるため、慎重な検討が求められます。
2. 遺言による相続分の指定
特定の相続人に負動産を相続させる代わりに、他の財産を多く相続させるなど、遺言によって柔軟な財産分割を行う方法です。
解決方法と結果
様々なシミュレーションの結果、長女B様が負動産を相続し、その負担を考慮して預貯金の大部分も相続するという分割案が、最も公平で円満な解決策であると判断しました。
このプランに基づき、法的に有効な公正証書遺言の作成をサポートさせていただきました。遺言書には、財産の分割方法を具体的に明記し、将来的なトラブルを未然に防ぐための付言事項も盛り込みました。
甲様からは、「長年の悩みの種だった負動産の問題が解決し、安心して老後を過ごせる」と、大変お喜びの言葉をいただきました。
司法書士からのポイント
今回の事例のように、負動産の処分が難しい場合でも、生前に対策を講じることで、ご家族の負担を大きく軽減することが可能です。
相続人間の公平性を保つための財産分割を検討します。
ご自身の意思を明確に残し、将来のトラブルを防ぎます。
利用できる制度を積極的に活用し、負担を軽減します。
当事務所では、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適な相続プランをご提案いたします。負動産の相続でお悩みの方は、ぜひ一度、無料相談をご利用ください。
この記事を担当した執筆者

- 司法書士法人・行政書士やまぐち中央事務所 司法書士 福田修平
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保有資格司法書士 専門分野相続・生前対策
出身地 山口市 メッセージ 弊所が大事にしている「あなたの安心をカタチにします」というフレーズは、どんなに親が家族を想っても、遺言や家族信託などの具体的な対策を実行しなかったために、想いが叶わず、家族が苦しんだり、悔しい想いをする現実をみてきたからこそできたものです。 ご依頼いただいた際には一切の先入観を排除し、皆様の想いの奥にある背景までに想いを馳せ、ベストの形を提案します。
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