【解決事例】遺言コンサルティングを活用した円満な相続対策 ― 疎遠な相続人との関係を踏まえて
目次
1. 相談者背景
本件のご相談者であるAさんは、防府市にお住まいの高齢男性です。
ご家族には、現在同居中の長女Bさんとその夫Cさん、そして疎遠となっている孫Dさん(亡長女の子)がいます。
特にDさんとは過去の家族間の出来事により感情的なわだかまりがあり、将来の相続トラブル回避を強く希望されていました。
2. 相続内容と課題
Aさんの相続財産は以下のとおりです。
- 防府市内の自宅(土地・建物)
- 預貯金
- 株式(上場銘柄)
- 生命保険
総額は相続税の基礎控除額(4,800万円)以下であるものの、
・孫Dさんとの感情的な確執
・Dさんに既に多額の経済支援を行っていた事実
などから、特定の相続人に財産を残さない意思をどのように形にするかが重要な課題でした。
3. 法的な論点整理
法定相続人であるDさんは、Aさんが遺産分与を望まなくとも、遺留分(法定相続分の1/2)を請求する権利があります。
このため、Dさんへの分与回避を実現するためには、公正証書遺言での意思表示と遺留分対策が必要です。
4. 生前贈与との比較
Aさんは当初、自宅を他の家族に生前贈与したいとの希望を持たれていましたが、以下の理由から断念されました。
- 不動産取得税、登録免許税、贈与税の負担が大きい
- 受贈者にとっても税務的な不利益が大きい
- 公正証書遺言の方が法的明確性が高く、相続時のトラブルが少ない
5. ご提案したサービス
私たちは、以下の2つのサービスをご提案しました。
- 遺言コンサルティングサービス
遺留分を考慮しつつ、ご希望を最大限反映できる内容の文案作成。税務・登記・実行リスクまで含めた総合的な設計。 - 遺言手続き代行サービス
公証人との調整や、公証役場での正式な公正証書作成の支援。
6. 実行までの経緯
初回面談後、3週間ほどかけて数回の面談を重ね、Aさんの意思を明確にヒアリング。
文案を確定後、公証役場と連携して正式な公正証書遺言を作成・保管しました。
7. 遺言書の構成と工夫
・Dさんには遺産を分与しないことと、その理由を記載。
・長女Bさんおよびその夫Cさんには具体的な不動産の承継と金融資産を配分。
・将来の遺留分請求を想定し、感情的理由も含めて遺言の整合性を確保しました。
8. 結果とその効果
相続トラブルの芽を事前に摘むことができ、Bさんの住居安定と精神的安心を実現。
Aさんからは「気持ちがすっきりした」との感想をいただきました。
9. 司法書士の視点とアドバイス
相続は感情と法的権利が複雑に絡むテーマです。本件では、生前贈与よりも遺言による対策が適切でした。
また、疎遠な相続人との関係性も、法的手続きを通じて円満に整理できた好事例といえます。
10. 総括
本件を通じて、司法書士としての使命は「登記」や「書類作成」だけでなく、ご家族の未来を法的にデザインすることだと再認識しました。
相続に不安がある方は、ぜひ早めのご相談をおすすめいたします。
この記事を担当した執筆者

- 司法書士法人・行政書士やまぐち中央事務所 司法書士 福田修平
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保有資格司法書士 専門分野相続・生前対策
出身地 山口市 メッセージ 弊所が大事にしている「あなたの安心をカタチにします」というフレーズは、どんなに親が家族を想っても、遺言や家族信託などの具体的な対策を実行しなかったために、想いが叶わず、家族が苦しんだり、悔しい想いをする現実をみてきたからこそできたものです。 ご依頼いただいた際には一切の先入観を排除し、皆様の想いの奥にある背景までに想いを馳せ、ベストの形を提案します。
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