亡き夫が遺してくれたアパートを長男に確実に託すために家族信託を利用した事例
状況
①相談者Aは夫を10年前に亡くした。子どもは長男甲と長女乙。
②亡き夫の財産は預貯金と自宅及び夫が退職金で購入した中古アパート。
③夫の財産は全てAが相続し、アパートはAが大事に維持管理してきた。
④Aは今現在大きな病気もなく健康だが70歳を超えて今後も継続してアパートを自分で維持管理できるか不安に思っていた。また自身亡き後はアパートは長男に相続させたいという希望があった。
⑤そんな中銀行主催のセミナーに参加し、税務上の負担もなく、子どもに財産を託すことができる家族信託の存在をしり、弊所に相談をした
司法書士の提案&お手伝い
①Aさんは健康状態も良く現状ではアパートの維持管理に問題はないものの認知症で判断能力が衰えたり、病気で体調をくずしたりすると維持管理が難しくなる旨説明した。
②通常の維持管理自体は管理会社に任せればAさんの心身が衰えても大きな問題はないが、アパート自体が築20年以上経過しており、大規模な修繕が必要になった場合の銀行からの借り入れや工務店との契約がAさんの心身の状態によっては難しくなる旨説明した。
③仮にAさんの判断能力がなくなっても成年後見制度を利用すればアパートの大規模修繕なども可能になるが、成年後見人が銀行から新たな借り入れをするのは難しい上、成年後見人はアパートだけではなくAさんの全部の財産を管理するようになり、弁護士や司法書士などの専門家が就任した場合は多額の報酬が発生する旨説明した。
④家族信託であれば長男甲にアパートの管理を任せることができること。
Aさん亡き後は確実に長男甲にアパートを引き継がせることができる旨案内した。
結果
①Aさん自身は元気だが長男にアパートの管理を任せることができ、自身亡き後は長男甲に確実にアパートを承継できる家族信託を実行することとなった。
②弊所はまずAさん預貯金や不動産など全ての資産状況をヒアリング及び調査した。結果アパートを長男甲に信託してもAさん亡き後の相続で長女乙の遺留分を侵害しないことを確認した。
③Aさん及び長男甲と面談、意思確認を実施した上で、家族信託契約書案を作成し内容確認していただいた。その後信託口口座を作成する金融機関へ家族信託契約書案を提出し、リーガルチェックを完了した。
④公証役場にAさん及び長男甲、弊所司法書士が立会、信託公正証書を作成、その後金融機関にて信託口口座を作成、アパートの名義をAさんから長男甲へ変更する信託登記を完了し、一連を業務を完了した。
司法書士のポイント
不動産や預貯金などの財産を持っている人が認知症等が原因で判断能力が無くなると不動産が売却できなくなったり、預貯金を下ろせなくなってしまいます。
この状態のことを「財産が凍結する」と表現します。
財産が凍結すると例え子どもや家族であっても不動産を売却したり、預貯金を下ろすことはできません。
またアパートのような収益物件は売却できないのはもちろん、老朽化により大規模な修繕が必要な場合でも全く対応ができないことになります。
収益物件の修繕ができないと入居者の低下、建物の維持管理ができず資産価値が著しく低下してしまい経済的な損失が大きくなります。
財産が凍結してしまった後でも成年後見制度を利用することで財産の管理処分ができるようになりますが、コストがかかってしまうなどの大きな問題が生じます。
A様の希望は大きく2つ①亡き夫の残したアパートを守って行きたい②確実にアパートを長男甲に引き継ぎたいというものでした。
家族信託を使えばこの2つの切なる願いをかなえることができます。
老齢化による財産の維持管理と財産の承継を両方解決するハイブリッドな財産管理手法が家族信託なのです。
弊所では家族信託コンサルティングを行っております。
興味のある方はこちらから!!
この記事を担当した執筆者
- 司法書士法人・行政書士やまぐち中央事務所 司法書士 福田修平
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保有資格司法書士 専門分野相続・生前対策
出身地 山口市 メッセージ 弊所が大事にしている「あなたの安心をカタチにします」というフレーズは、どんなに親が家族を想っても、遺言や家族信託などの具体的な対策を実行しなかったために、想いが叶わず、家族が苦しんだり、悔しい想いをする現実をみてきたからこそできたものです。 ご依頼いただいた際には一切の先入観を排除し、皆様の想いの奥にある背景までに想いを馳せ、ベストの形を提案します。
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