相続の生前対策を検討されている方へ
相続は、亡くなった方の財産を承継する重要なプロセスです。
しかし、手続きの複雑さや関係者間の意見の相違などから、トラブルに発展するケースも少なくありません。
そこで、生前から適切な対策を講じておくことが大切です。
目次
相続調査(相続財産、相続関係の把握)
まず、自分の財産状況を把握することから始めましょう。
不動産、預貯金、株式、保険など、全ての資産と負債をリストアップします。
次に、相続人となる家族の状況を確認します。
相続人の人数や関係性、各人の生活状況などを考慮に入れておく必要があります。
その上で、自分の意思をどのように反映させるかを検討します。
主な選択肢としては、遺言書の作成と家族信託があります。
遺言書の作成
目的:元気なうちに相続財産の分配方法を明確にするための基本的な対策です。
メリット:遺言書を作成することで、遺産分割に関する家族間の争いを防ぎ、特定の資産を特定の人に遺贈することができます。
遺言書は、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。
自筆証書遺言
自分で手書きし、署名・押印するだけで有効ですが、法的な不備がないよう注意が必要です。
公正証書遺言
公証人の関与の下で作成されるため、法的な有効性が高く、内容の秘密も守られます。
秘密証書遺言
遺言内容を封印し、公証人に届け出る方法です。
家族信託(民事信託)
目的:信託は、財産管理を信頼できる第三者に委託する仕組みです。
メリット:信託を設定することで、財産の分配に関するトラブルを防ぎ、信託管理者が資産を適切に管理・分配することが可能です。また、財産管理が複雑な場合にも対応できます。
家族信託は、信頼できる親族や専門家など第三者に預け、管理・運用を任せる方法です。
信託期間や受益者、資産の配分方法などを生前に決めておくことで、相続発生後のトラブルを防ぐことができます。
不動産の有効活用や、事業承継対策としても有効です。
高齢で判断力が低下しつつある場合には、早めに財産管理の対策を講じることが重要です。
後見制度や任意後見制度を活用することで、信頼できる人に財産管理を任せることができます。
任意後見制度
目的:判断能力が低下した場合に備え、あらかじめ後見人を指定し、財産管理を任せることができる制度です。
メリット:自分の意志で信頼できる親族や専門家を後見人として指定することで、安心して財産管理を任せることができます。
特定の人に特定の財産を確実に遺贈したい場合、生前贈与を検討することも一つの方法です。
生前贈与により、特定の資産を確実に希望する相手に移転させることができます。
生前贈与
目的:生前に財産を贈与することで、希望通りに財産を引き継ぐことを確実にする手段です。
メリット:生前に財産を分け与えることで、相続時のトラブルを未然に防ぐことができます。また、一定の非課税枠を利用することで、相続税対策にもなります。
相続税の負担を軽減したい場合には、税務対策を考慮した対策が必要です。
生命保険の活用や不動産の有効活用、養子縁組などが有効です。
生命保険の活用
目的:生命保険を利用することで、相続税の非課税枠を活用することができ節税対策として効果的です。
メリット:保険金は相続財産に含まれず、一定額まで非課税となるため、相続税の負担を軽減できます。
不動産の有効活用
目的:不動産を相続税評価額よりも高い収益性のあるものに転換することで、相続税の負担を軽減します。
メリット:賃貸物件などに転用することで、収益を得ながら相続税評価額を抑えることができます。
相続の生前対策は個々の状況に応じて異なりますが、まずは自身の資産状況と家族構成を把握し、遺言書の作成や信託の活用、任意後見制度の検討、生前贈与、税務対策など、適切な手段を選択することが重要です。
司法書士や税理士など相続の専門家に相談することで、最適な対策を講じ、スムーズな相続を実現しましょう。
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この記事を担当した執筆者
- 司法書士法人・行政書士やまぐち中央事務所 司法書士 福田修平
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保有資格司法書士 専門分野相続・生前対策
出身地 山口市 メッセージ 弊所が大事にしている「あなたの安心をカタチにします」というフレーズは、どんなに親が家族を想っても、遺言や家族信託などの具体的な対策を実行しなかったために、想いが叶わず、家族が苦しんだり、悔しい想いをする現実をみてきたからこそできたものです。 ご依頼いただいた際には一切の先入観を排除し、皆様の想いの奥にある背景までに想いを馳せ、ベストの形を提案します。
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